右脳の解放

スポーツサイエンティスト,衣笠泰介が日々感じること,感動した言葉,音色,風景などを思いのまま綴る. Think globally, act locally

[http://sankei.jp.msn.com/sports/other/101127/oth1011270042002-n1.htm:title=【アジア大会】スポーツ大国へひた走る中国 有望選手の海外派遣、有名コーチ招致…@産経]

 中国・広州で開かれているアジア大会は、中国の高笑いで終わろうとしている。金メダル数は197個(26日現在)で、1990年北京大会で取った史上最多の183個を更新。日本の総メダル数も上回りそうな勢いだ。“お家芸”の卓球や体操に加え、活発な経済を背景に、後発競技でも有望選手の海外派遣や外国人コーチの招致など強化策を充実。スポーツ大国への道をひた走っている。(細井伸彦)
 18日に日程を終えた競泳。24個の金メダルを獲得した中国に対し、日本は9個と惨敗した。「予想以上に中国は強かった」と平井伯昌・日本代表ヘッドコーチ。金16個ずつで並んだ前回ドーハ大会から4年。中国は向こう岸の存在になった。
 中国躍進のカギは「海外」だ。今大会の競泳チームには世界的に名高いデニス・カテレル氏が帯同した。シドニー、アテネ両五輪で男子1500メートル自由形を連覇したグラント・ハケット(豪州)を育た伯楽だ。
 総人口約13億人。人材には困らない。競泳では、有望選手を早くから米国や豪州に留学させ、“本場”の英才教育を施している。今大会の代表選手の多くは海外に練習拠点を構えており、男子1500メートル自由形でアジア記録を10秒以上も更新して制した18歳の孫楊もその1人。198センチの長身に恵まれた孫に、平井コーチは「体が大きくて才能を持った選手が海外に出て、実績のあるコーチにつく。脅威ですよ」と危機感を募らせる。
 日本選手の場合、海外に拠点を置くのは、北島康介日本コカ・コーラ)ら一握り。日本水連は練習場所に何の規制も設けていないが、「コーチとの信頼関係を大事にしたい」「わざわざ海を渡ってまで」という選手が多く、二の足を踏んでいるのが実情だ。
 日本の得意分野だった自転車でも、中国はフランス人監督を招き入れた。選手はほぼ年間を通して北京で合宿。今大会は男女10種目のうち5種目で金を獲得した。陸上の競歩を指導するのはイタリア人。今大会の男女競歩3種目に金メダルをもたらした。シンクロナイズドスイミングでは、井村雅代氏を北京五輪以来、約2年ぶりに呼び戻し、3冠を手にした。
 自前での強化を“放棄”し、外国人に委ねる手法に対し、国内の指導者の間で不満がくすぶっているといわれる。だが、2年前の北京五輪では、38人もの外国人コーチを招き、金メダル数で米国を抜いて世界のトップに躍り出た実績がある。
 今大会も金銀銅を合わせたメダル数は、90年北京大会の341個を自ら塗り替える412個(26日現在)。「日本も国を挙げて対策を講じる必要がある」と日本選手団の市原則之団長は嘆くが、大国の背中は手の届かないところに行ってしまった。